第551話 ■マイラインについて

 「マイライン」の登録受付が始まってしばらく経つが、いろいろと事件が発覚して来ている。あまりもの数が集中して、開始日までに処理しきれないものが出ている。入力の手間も相当なものだろう。それにもまして、手数料収入目当ての不正申請の報道が後を絶たない。

 聞くところによると、各電話会社は自社分のマイラインの申込書一件に対し、その仲介者に対し2,000円もの手数料を支払っているらしい。しかも、集めた電話会社も本人の意志確認ををするでもなく、仲介者の中には、まるで自在に2,000円の請求書を発行するかのように、ひどいものは電話帳から名前を順に書き並べたような架空の申込書を作る事件が次々に明らかになっているわけだ。ある日突然、申し込んだ覚えのない申込みに対する確認書が届いたり、別の会社に書き換えられた確認書が届き、マイラインのコールセンターには毎日のように苦情の電話が殺到している。

 そもそもこんな、義理・人情+手数料で申込みを獲得しようという考え自体がおかしい。もっと効率良く、ユーザにも便利なシステムをどうして用意しないのだろうか?。各人は発信元通知をONにして、マイラインセンターに電話を掛ける。後は音声ガイダンスに従って、NTTは「1」、KDDIは「2」などを市内電話から国際電話まで順にプッシュしていく。発信元通知があるので、インチキな印鑑よりはよほど信頼できるはず。プッシュ(トーン)回線だけでなくダイヤル(パルス)回線でも対応しなくてはならないが技術的には何ら問題はないだろう。

 手数料やオペレーションのための人件費を考えると、1,000億円くらいの金が必要となるのではなかろうか?。それでいて、不正があり、対応にも間に合わない。雇用創出、内需拡大と言えなくもないが、その金を最終的に負担しているのが誰であるかを我々は忘れてはならない。

(秀)

第552話 ~2001/7/18~