第638話 ■浜省

 ダウンタウンの「ガキの使いやあらへんで」で何故だか浜田省吾が笑いのターゲットになっている。番組のオープニングで流れるロケもの(ステージではないやつ)で「浜省だらけの野球大会」というのと「浜省だらけの大運動会」というのが放送された。

 いでたちは松ちゃん、浜ちゃんをはじめ、ココリコや放送作家、ディレクターなどのスタッフを含めた参加者が全て浜省の格好をしている。ジーパンにジージャン(しかもノースリーブ)、カツラにバンダナ、もちろんサングラスを掛けて、20人ぐらいの浜省が走り回っている。投げるも打つも、守るも走るも、皆々浜省である。見所のあるプレイの度に映像がモノクロのスローモーションとなり、彼の曲とともに流れる。プレイの内容以前にこの設定だけで笑える。

 15年から20年くらい前に「好きな歌手=浜省」というのは何の抵抗もなく言えた。ところが最近は笑いのネタになったりする。飲み会の席でそんなことを言ってしまうとちょっと引かれてしまう。カラオケで「もうひとつの土曜日」を熱唱すると次には誘って貰えない様な気がする。

 悲しげなバラード。やや陳腐な歌詞。(反骨精神はありながらも、)失恋や逃避を織り交ぜた、今風に言えば「負け組」の主張のような。そして何よりも、かたくななまでに変わらない風貌。やはりあのサングラスがポイントなのだろう。私は決して浜省が嫌いではない。しかし、何となくこの笑いには同調してしまう。3年ほど前になるだろうか。彼の歌をカラオケで歌うのは、そのときの「マイホームタウン」を最後にやめてしまった。

(秀)