第553話 ■贓物故買

 「ぞうぶつこばい」と読む。あまり日常生活で耳にする言葉ではないが、贓物とは辞書によると、盗んだりだましたりして得た品物、とある。故買とは、盗んだ品物とわかっていながら買うこと、とある。質屋などが盗んだものと知りながらそれを買い入れた場合は犯罪となる。質屋や古本屋など、中古品の売買を生業とするには、古物商としての免許が必要となる。このような法律があるのは、盗んだものを換金するルートを抑えて、犯罪を抑止しようと言う考えに基づいており、既に江戸時代にもこのようなスタイルは確立されていた。

 さて、また何かと話題の外務省である。今度はハイヤー代の水増し請求で官僚とハイヤー会社の役員など4人が詐欺の容疑で逮捕された。今回の事件は、例の機密費流用事件の捜査の過程で発覚。松尾被告に犯行の手ほどきを受けていたらしい。これ以外にもホテル代の水増しもあったようだ。罪の意識がほとんどなく、慣例化していたに違いない。今となっては、毎日内心ビクビクな輩が省内にまだまだいそうな気がする。

 詐取額は公金約2,200万円で、約1,100万円分が、タクシークーポン券などの金券で外務省の2人に渡り、その一部(いや、きっと大半だと思うが)を金券ショップなどで換金したと報じられている。

 金券ショップには収入印紙や切手をシート単位で定期的に大量に売りに来る常連がいたり、会社の販促用のテレホンカードを大量に売りに来る人がいるらしい。とても真っ当な代物とは思えない。金券ショップも古物商の免許は必要なはずだが、贓物故買は日常茶飯事のようだ。古本屋のように、売りに来る人の身元を確認するとなると、供給がストップし(仕入れができず)、この商売は途端に成り立たなくなるに違いない。いっそここも捜索した方が良いのでは。

(秀)