第612話 ■レッツ・ゴー!永田町

 ドラマ「レッツ・ゴー!永田町」で石橋貴明演じる筒井五輪(東京オリンピックの年に生まれたのでこんな名前)は与党民自党の代議士稲山一郎の公設第二秘書(だった)。稲山代議士を演じるは西村雅彦。彼は建設族の二世議員である。これはいわゆる職業ドラマであるが、出演者の顔ぶれからいってもコメディ、政治の裏表がおもしろおかしく楽しめそうだ。ところで、ドラマなどに出てくる架空の政党は民自党か民政党、新聞は毎朝新聞と相場が決まっている。このドラマでもそうである。

 もちろんフィクションでありながらも設定は今の政局を模したものになっている。総理を演じるのは岩城滉一、役名は和泉俊一郎。脱派閥を唱え、世論の高支持率を背景に構造改革を推進するも党内の反対勢力の抵抗により、その実現の可能性は低いと見られている。その反対勢力の中心は元総理の野本広太郎。ベースは橋本竜太郎だろうが、+野中の意味もありそうだ。江守徹が演じている。それに田坂真以子という女性大臣を室井滋が演じている。

 早速、交通違反のもみ消しや愛人騒ぎに怪文書、それに派閥内部での騙し合いといった騒ぎが初回の放送から立て続けに起きる。この町では一般人の非常識が常識、非日常が日常。これらは五輪らがしばしば口にする「これが永田町だ」という言葉に凝縮されている。五輪は代議士の愛人処理の不始末で第二秘書を解雇され、私設秘書として雇われることになった。これも永田町ならではのやり方らしい。

 このドラマの見所はやはり政局の行方だろう。ドラマの中での構造改革の行方は?、改革派と反対勢力の派閥力学の行方は?。政治の最大の見せ場は解散総選挙。見る側としてはそこまでの展開を期待したい。

(秀)