第790話 ■最終回ウィーク

 別に今週でこの秀コラムをやめてしまおう、という話ではない。ドラマの最終回の話である。今回はワールドカップの影響で、本来なら6月一杯で最終回を迎えるはずが、いくつかはまだ今週1回の放送を残している。先日コラムで取り上げたドラマは、とりあえず、ビデオに録るなどして見続けている。しかし、うまくストーリーが連続して最終回まで見たものはほんの数本でしかない。見ていないビデオがまた山と詰まれている。そして、回を前後して見てしまったものもある。

 これまでの観察によると、ドラマの大きなヤマ場は最終回よりもその前の回にあることが多い。あるいは、最終回のための大きな仕掛けがこの回にある。まさに「起承転結」の「転」の部分にあたる。それなのに、最終回の前の回を見逃して、最終回を先に見てしまうと、やはり気持ちが悪い。「ヨイショの男」ではいきなり彼らが勤めていた「あけぼの保険」が倒産してしまっていた。どういういきさつで倒産したのか、最終回では一切触れていない。よって、未だその理由が分からないまま。その前の回のビデオを探し出そうにもこれまた大変。一方、「整形美人」も前の回を見ずに、最終回に至ってしまった。けどこっちはストーリーが読めていたので、それほど不自然な展開ではなかった。

 まったく、同じことの繰り返しである。3ヶ月ごとに心新たに新しいドラマと向き会おうとも、そのドラマが終わる頃には見ていないビデオテープが積もる。そのいくつかはついに諦めるが、残りが増していく分、事態はますます苦しくなる。こんな具合に毎度毎度同じ過ちを繰り返していてはならぬと、ついに先日一念発起して、新兵器を導入するに至った。その話は次回詳しく。

(秀)