第809話 ■元彌飛ぶ
和泉元彌って、それほどメディアとしての価値があるか?。先週土曜日についに話題のダブルブッキングの大移動が行われ、テレビでもその模様が報じられた。ところで、ダブルブッキングという言葉についてだが、時間帯が明らかに重なっていれば、それはもうダブルブッキングだろう。しかし、今回はこうやって移動できたわけなので、ダブルブッキングということ自体おかしな気がする。
岐阜県可児市をスタートし、名古屋までヘリ、その後チャーターしておいた自家用ジェット機で羽田へ。それからは首都高をワゴンハイヤーで新宿まで。この間約2時間。伝えられてくるこの可児市文化創造センターでの公演のギャラは100万円。それに対し、自家用ジェット機のチャーター代が200万円(それ以上のものもある)などと言われる。大赤字である。しかし私が注目したいのは、別の一面、可児市側の支出である。移動費が含まれているだろうが、わずか15分程度の演舞に100万円を出すのは尋常ではない。それほどの玉か?。怒れ!、可児市民。いや、実はもっとギャラは安かったのではなかろうか?。箔を付けるための得意の狂言のような気もする。
この日の新聞テレビ欄では、TBSのブロードキャスターで「密着、大移動」なる文字が躍っていた。その予告通り、番組では山瀬マミの「お父さんのためのワイドショー講座」の時間に放送された。通常のランキング発表を押しのけるほどの扱いである。ところが、おいおい。「密着」と言うからには、ヘリやジェットに同乗するのかと思いきや、単なる追っかけ取材でしかなかった。
取材した側の本心を私が敢えて代弁するとなると「失敗すると面白いから取材しとけ」であろう。車やバイクを走らせ、首都高上空ではヘリまで飛ばす騒ぎ。そして新宿コマでの待ち伏せ。しかし、今回は成功してしまった。かと言って、「これだけの費用を掛けて取材したネタを捨てるのはもったいない。別に大きな(芸能)ネタもないし、出しちゃえ」、と続く。今日は朝から流していた。きっとワイドショーでも使っているはず。
和泉元彌って、それほどメディアとしての価値があるか?。なんて言いながら、テレビで見てしまう俺。ついでにこうしてコラムにまで書いてしまう俺。しかしこれは、例えば一年後に読み返して笑ってやろうというのが目的なのだから。
(秀)
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