第814話 ■私立探偵 濱マイク
日テレで濱マイクが連続ドラマ化されると聞いて、最初はとても喜んだ。しかし、これまでの放送を見る限るちょっとがっかりしている。映画での濱マイクシリーズが面白かったがための期待であったが、その期待はドラマ開始当初から裏切られ続けている。
とりあげてキャスティングが悪いわけではない。映像もこの時期のドラマには珍しくフィルム撮りで、毎回かなり手間ひまを掛けた作りであることは間違いないだろう。それでは何がいけないのか?。それは脚本または監督のいずれかである。ストーリー展開が難解すぎるのだ。何も謎解きが高度であるのではない。ストーリーが飛び過ぎて、その前後関係のつながりが非常に雑に扱われている。
このドラマは一話完結のスタイルを取っている。監督がそれぞれ別で、12人の監督の競作としてシリーズが構成されているのが売りの一つでもある。それ自体は非常におもしろい発案だと私も認めるが、そのことによる弊害が起きているような気がする。これまでの回を見て、ストーリー展開が分かりにくいのは、それぞれが一時間で収まりきらないということだ。ちゃんとそこまでフォローして撮ろうと思うと、2時間ぐらいのものになってしまうかもしれない。それを切り詰めて、切り詰めて、一時間という尺の中に収めようとする。正味は45分しかない。自然と話の流れがギクシャクしたように見えてくる。
各監督の意識でいろいろと見せ場を作ろうとしているような気もする。競作だからやむを得ないだろう。しかし、肝心のストーリー展開の部分においての配慮が足りない。説明のための冗長的なシーンがないのは良いが、ここまで分かりにくければ本末転倒。突然現れる情報屋。しかし、何故その情報屋がその情報を持っているのかなどは一切不明。こんな感じである。なら、最初っからその情報屋の所に行けば、話は終わってしまうではないか。
それでもある種の期待を抱いてドラマを見つづけている。映画が面白かったからだ。それと、最後あたりの回でCMで共演している浅野忠信が出て来たりしないのか?、CMのシーンさながら、永瀬正敏が布袋寅泰に追いかけられるシーンが登場しないか?、という期待もある。今もう一度映画の方を見返してみると、いつも金欠であるため、格好良いばかりではない。ドラマのマイクほど気取った感じもない。映画の中の永瀬正敏も確かに若い。その時分は私ももうちょっと若かったのだろう。私と永瀬正敏は同い年。(←意味不明な終わり方)
(秀)
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