第974話 ■感想FAX

 嘘なんてつこうと思って、そうそうつけるもんではない。エイプリル・フールだからと言って、いろいろと思案し、誰かを騙してやろうと思っていたが、日中はあたふたと年度末の後始末でそんなことは忘れてしまい、気が付いたら家に着いていた。逆に騙されることもなかったが。

 こうなったら、コラムの読者を相手に嘘でもついてやろうかと思ったが、ここのところ、コラムは配信日の当日の夜に書いているため、読者の目に届いたときには期限切れになっているだろう。う~ん、困った。そんなとき、電話の呼び出し音が鳴った。受話器を取るとそこからは「ピーッ!」という、何とも耳障りな音。あわてて、FAXの受話器を取り上げ、「受信ボタン」を押す。

 ニョロニョロとFAXから吐き出された紙は常連読者からの感想文だった。最後の「ピー」という音を聞いて、出てきた紙を数えると10枚もあった。ざっと読んでみるとなかなか面白い。しかしここでちょっと困ったことに気がついた。いつものように電子メールで貰った感想文はそのままWebに転載できる。しかし紙となるとこれをタイピングしなければない。そういうわけで、読者諸氏からの感想メールはこれを機に電子メールのみで受け付けることにしたい。よろしく。

 なーんて。莉香さん、こんな感じでどうでしょう?。「昼間、自宅に感想メールを10通程FAX致しましたが 受け取りましたか?」というメールをもとに今回のコラムを書いてみた。FAXあるけどいつもは電源入れてないんだよ。あんまり使わないから。わざわざFAXで感想文を送ってくる人などいないしね。しかしいつも電源を入れていたら、危うくFAXの所まで行って確認していたかもしれない。あぶない、あぶない。

(秀)