第99話 ■神田正輝
- 1999.09.07
- コラム
ある朝、当コラムの読者の一人から「お知らせ」と題されたメールが届いた。しかも添付ファイル付きで。開くと、噂メールの鑑定依頼の内容だった。その噂とは「神田正輝ヅラ疑惑」であった。噂の内容は以下の通り。
「私のお母さんの友達が関口宏のフレンドパークの収録を見に行ったときの事。壁に飛びつくゲームがあって、それに神田正輝が参加したんだって。神田正輝は勢い良く壁に向かって走り、高得点をマークした。壁から神田正輝はスタッフの手を借りておりたんだけど、壁になんか髪の毛みたいのが残ってて、あれっと思いながら神田正輝を見たらハゲてたんだって。本人はしばらく気がつかないで、満足げな笑顔を振りまいてたらしいんだけど、ヅラが取れたことをスタッフに言われ顔面蒼白。すぐ関係者に囲まれて控え室の方に引っ込んでった。その後別室に観客が連れて行かれ、スタッフにこの事は口外しないようにと言われたんだって」。
噂はマスコミでも取り上げられているようであるが、オリジナル(と思われる)メールを目にしたのは初めてであった。メールに添付されていたのは禿げた神田正輝の写真であった。記者会見か何かのときのものと思われる。まあ、良くできた合成写真であろう。
さて、私の推理である。まず、指摘の壁に飛びつくゲームはマジックテープでくっつく仕掛けになっていたと思う。マジックテープはご存知の通り、一方がチクチクでもう一方がパイル状で、チクチクが引っかかるようになっている。もし壁側がチクチクの状態でそこにゲーマーが飛びついていくのは甚だ危険である。と言うことはゲーマーの服(ツナギ状のもの)や手袋がチクチクになっているはずだ。と言うことは壁にカツラが貼り付くことができないというわけである。彼が本当にヅラなのかどうかは分からないが、少なくともフレンドパークでの事件は嘘と結論付けた。
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