(秀)

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第438話 ■変なじいさん 前編

 会社帰りの電車の中で、前の座席に座っていた、齢七〇歳代後半と思しきじいさんが私に話し掛けて来た。そのとき私は彼の座席の前に立って、いつものように携帯端末でコラムを書いていた。「これは、あれですか、携帯電話と同じですか?」と、私の携帯端末を […]

第437話 ■電話料金が高いわけ

 マイラインの登録受付が始まって、弊社の中もちょっと騒々しい。NTTもKDDIも、ともに会社としては大事なお客様であるため、それぞれを担当する営業にも両社から協力の呼び掛けがあり、パンフレットが託されたらしく、私のフロアにもパンフレットを持 […]

第436話 ■恋愛の教祖

 「恋愛の教祖」なる肩書きが存在する。かつては元あみんの岡村孝子がそうで、それ以外にも恋愛に関する歌を多く出しているミュージシャンなどに対して与えられる尊称と言える。ところがどうだろうか?。そう呼ばれていた槙原敬之が恋愛の達人だとは到底思え […]

第435話 ■消火器

 その日は久しぶりの飲み会で、ただでさえ酒に弱い私はいつも以上に酔っていた。うれしいことに新お茶の水駅からは地下鉄で乗り換えなしに帰ることができる。しかし、その喜びも束の間、地下鉄千代田線は月曜日の結構遅い時刻にもかかわらずかなり混んでいた […]

第434話 ■善意について

 例の外務省報償費横領疑惑について、ついに外務省が内部調査の結果を発表し、事件はようやく警察や司直の手にゆだねられるに至った。これまで、横領した金額は二億円と伝えられて来たために過日のコラムではそれにそった形での金銭的価値の解説を行った。ま […]

第433話 ■大雪について

 この週末も雪。先週に輪をかけ、関東地方は大雪となった。今回も週末という事で私としては通勤への影響もなく幸運だった。三年前の大雪の時には決まって木曜日に確か三回連続の雪だったと記憶している。天気は六、七日の周期で変化しているため、同じ曜日に […]

第432話 ■不徳

 改めて日本語は難しいものだと思う。かと言って他国語が簡単だというわけではない。「遺憾」という言葉がある。これは「残念」という意味でしかない。頭を垂れて「誠に遺憾に存じます」と言われても、結局は詫びてはいない。当事者でありながら、他人事の様 […]

第431話 ■偽モバイラーの告白

 国内でノートパソコンの売れ行きが良いのは住宅事情によるものだろうか?。確かにデスクトップのパソコンとなると常設のデスクが必要となるし、その机上の面積の多くを占有してしまう。それに比べるとノートパソコンは高いし、将来的な拡張性(特に性能アッ […]

第430話 ■機密費

 正しくは「報償費」というらしい。三谷幸喜脚本、田村正和主演のドラマ「総理と呼ばないで」の中でこの報償費が登場して来た事がある。官邸の金庫にとっさの時に備えて領収書不要の現ナマが保管されているという。そして、それは首相官邸の扱う官房機密費( […]

第429話 ■スピードという品質

 年末ジャンボの行列や初詣、福袋を買うための行列など、年末年始は特に並んで、待たされる事が多い時期かもしれない。私は並ぶことが嫌いだ。正しくは待たされるのが嫌いというのが良いかもしれない。まあ、並ぶのと待たされるのは必ずしもイコールではない […]

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