第38話 ■はたらくひとびと

 病気で学校を休んだりすると、退屈でしょうがない。テレビを点けても、子供にはワイドショーなど興味がない。唯一の救いはNHK教育テレビである。「○年生の理科」や「大きくなる子」なんて番組が当時あった。そして、忘れてはならないものに「はたらくお […]

第37話 ■フェイク

 宇多田ヒカルのファーストアルバムが爆発的なセールスを記録している理由の1つに「詩の内容が良い」という声を聞くことがある。同年代にはシンパシーを与え、それよりも上の人々にも16歳の原寸大の感覚というキーワードで称賛する人々が多い。プロデュー […]

第36話 ■スティーブからのお告げ

 スティーブとはスティーブ・ルカサーのことである。アメリカのTOTOというバンドのギタリストである。約20年前にデビューしたバンドであるが、現役である。私が高校生のときにグラミー賞のアルバム賞やシングル賞などを総なめにした。先日彼らが来日し […]

第35話 ■駄菓子屋

 子供のころよく通ったその駄菓子屋は通称「こども店」と呼ばれていた。看板には「井上商店」と書かれているにもかかわらず。だが、うちの母親などは「かっちゃんがた(『がた』は○○の家の意の方言)」と呼んでいた。理由を尋ねると、こども店は婆さんが一 […]

第34話 ■ドラマの見方

 大学まで田舎で生活していたため、テレビでドラマを見ていていろいろと不思議に思うことがある。場所や舞台の所在地が分からないので、そこに込められた暗黙の設定など分かるはずもない。例えば、「金曜日の妻たちへ」に出てきた、たまプラーザというのがど […]

第33話 ■オムライス

 カレーライスとライスカレーの違いをご存知だろうか?。ルーが上とか、ご飯が上とか、そういうこじつけの話ではない。明治になってカレーライスが日本にやって来た時、それは高級料理で、ご飯の盛られた皿と仰々しくカレーポットに注がれたカレールーによっ […]

第32話 ■邦題

 これまでの名画と呼ばれる洋画には邦題の付いたものが多い。その中でも「風と共に去りぬ」というタイトルは日本語の文語体という、洋画とは一種反発しあうような要素がうまくおさまっている。「GONE WITH THE WIND」を「風と共に去った」 […]

第31話 ■松田優作

 日本テレビで「蘇える金狼」のドラマが香取慎吾の主演で放送されている。これは以前、松田優作主演で映画化されたことがある。映画を見たことがない人でもその事実ぐらいは知っているだろう。映画を見ずにドラマだけ見ている人に断っておくが、ドラマは原作 […]

第30話 ■Virgin

 散歩途中、ポッカコーヒーの自動販売機で「Virgin Cola」というものを見つけた。缶のデザインは赤に水滴が付いたような模様に「Virgin Cola」とのロゴが表示されている。早速買い求め、缶の説明を読むと、イギリスの会社のもののよう […]

第29話 ■コレクション

 現在はほとんど無趣味状態の自分であるが、やや変わった収集癖がある。あるカテゴリーに深く、集中して傾注しているわけではなく、雑多で、その道の上級者からは相手にもされないような集め方かもしれない。そのテーマは「今ではなかなか手に入らないもの」 […]

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