第101話 ■オオカミ少年

 「ババンババンボンバンボバンババボ、ババンババンボンバンボボン~」。メロディ付きですらすらと読めた(歌えた)人は私より上の年代の人だろう。アニメ「狼少年ケン」の歌の歌い出しである。

 「昨日、最終回と言っておきながら」と、お考えの読者に申し上げたい。「最終回」というのは第100話のコラムタイトルだったのだ。第100話は「最終回」であると告知したが、コラムの執筆を終わるつもりなど、さらさらなかった。最初のうちはリニューアルでもしようと、「秀コラム」は最終回と告知をした。「新・秀コラム」、「帰って来た秀コラム」、「グレート秀コラム」、「・・・V3」、「・・・X」、「・・・アマゾン」、「もっと秀コラム」、「踊る秀コラム」と色々考えたが、どうもしっくりこない。考えた挙げ句、「最終回」をコラムタイトルとすることでごまかすことにした。

 ところで、童話に出て来るオオカミというのは悪の象徴である。「赤ずきん」に「三匹のこぶた」、「七匹の子やぎ」でも。けど、いつも計画は未遂に終わっていたり、復讐を受けたりしている。一方、「オオカミ少年」であるが、この話では狼の悪は不問にふされ、少年が一方的に悪いように表現されている。被害者でありながら同情されることもなく、悪い少年の例として何百年(?)も語られているのである。しかも悪の象徴である、狼が冠となって呼ばれているのだ。きっと事件が起きた時には未成年であっただろうに。

 20年程前、日本テレビの木曜スペシャルでUFOのネタを担当していたディレクターに矢追純一という人がいた。彼は毎回「UFOが来たぞ!UFOが来たぞ!」と騒ぎ立て、その後「オオカミ中年・矢追」と呼ばれるに至った。しばらく消息が分からないが、UFOに連れて行かれたわけではないだろう。

 「秀コラム」は本になるまで続く。