第1074話 ■ツーショット

 選挙が近い。時間貸しの駐車場ににわかにプレハブの建物が現れた。あれはきっと選挙事務所なのだろう。朝の駅頭が騒がしくなった。のぼりを立て、予定候補者が出勤する人々に挨拶なんかしてやがる。こんなときだけ、という感じがかえって有権者の反感を買ってはいないだろうか?。

 街角にはポスターが増えた。それも予定候補者と党の幹部とのツーショット写真である。やっぱり旬は自民党安倍幹事長だろう。安倍幹事長の人気にあやかろうと予定候補者とこの幹事長がツーショットのポスターである。要はオヤジ二人がツーショットのポスターである。ちょっと変じゃないか??。オヤジが両手を掴んで固く握手なんかしてカメラ目線で笑っている。「虎の威を借る狐」。胡散臭い。

 前回の選挙(参議院選挙)ではこのホストの役が小泉総理だった。あれはスタジオにホスト役の幹部が待機していて、そこに次々に予定候補のオヤジが現れ、ポスター用の写真を撮影していくのだろうか?。確かかつて同様の菅代表パターンを見たような記憶があるが、今回は見ていない。強面の小沢一郎ではやはり宜しくなさそうだ。

 今回最強のツーショットを考えてみた。中曽根元総理と宮沢元総理のツーショット。定年制回避策としてこのツーショットポスターで訴えてみれば?!。「私たちはまだやります」と、有権者に訴えるのではなく、「出してくんないと、このポスターを貼るぞ!」と党に訴えるのだ。小泉総理も安倍幹事長もこれにはきっと困るだろう。

(秀)