第1151話 ■オンデマンドでビデオを見る時代

 「キラーコンテンツ」なる言葉がある。必殺技というニュアンスか?。ブロードバンドのキラーコンテンツというものを世間が探しだして久しく時間(IT時間の尺度によると)が経っている。せっかくのブロードバンドを生かすようなコンテンツを探しているわけであるが、この環境を生かすコンテンツがなかなか登場しない。しかしそんなこととはお構いなしに、インターネット回線はますます太く(速く)なっていく。

 回線が太くなると大容量のデータでも高速で伝送が可能になり、大容量のデータとなると、動画ということになる。そこで、ブロードバンドのキラーコンテンツは動画だ、という発想になるだろう。確かに一部のサイトでは動画のオンデマンド配信を提供している所もあるが、まだ一般化していない。それは提供されているコンテンツがあまりにもつまらないからに他ならない。ところが、レンタルビデオショップに並んでいる映画などが配信されるようになると事態は一変するはず。

 レンタルビデオショップに行く事なく、自宅から好きなビデオ(データ)をダウンロードし、自宅のテレビで見ることが可能となることがどうにか目処が立ったような気がする。もちろん、まだそれらを実現するハードウェアは少ないし、権利関係の問題もクリアされなければならない。しかし、そこには大きなニーズがあることは明らかで、近い将来、広範に広がることは間違いない。

 利用する側からすれば店舗に行かなくて良くなる。目的のタイトルを探すのも楽になるし、貸出中ということがない。それに返しに行くこともなくなれば、返し忘れの延滞遅延もなくなる。一方、業者の方は店そのものを持つ必要がなくなる。店員をそれぞれの店で雇う必要もない。映画館の入場料等との兼ね合いなどもあり、これらの要素がそのままレンタル料金の値下げにはならないだろうが、利用者の受ける恩恵は大きい。コストダウンできた分はライセンス料として制作サイドに還元されれば、映画業界の活性化につながる。

 ハードウェアへの要求として、これらのコンテンツをパソコンの画面ではなく、テレビの画面で見てみたいということになる。私がテレビのネットワーク対応を望む理由はここにもある。果たして何年後にこんな時代がやってくるだろうか?。

 こんな話を家人にしたら、「私はビデオショップで(ビデオを)探すのが楽しいの」と言われた。

(秀)