第1150話 ■脱力番組

 「食わず嫌い王」。まあ、このコーナーに限らず、この「とんねるずのみなさんのおかげでした」という番組自体、かなり脱力度の高い番組と言える。ここで言う脱力度とは、番組出演者や製作者の緊張感や積極性が極めて低いことを示しており、加えて、視聴者の立場からは「見ても見なくてもどうでも良い」、ビデオに録ってまで見ることは決してない、と大多数が思っている状態のことだ。

 それでもテレビを消してしまうと音がなくて寂しいし、(放送が延長された)プロ野球放送を見るくらいならと、決してポジティブではないが、このコーナーを目にすることは多い。「今日のゲストは誰かな?」とか。考えるまでもなく、このコーナーのゲストのほとんどは宣伝目的で出ている。同局のドラマの番宣だったり。番組を見ながら、一緒にゲストが嫌いなものを想像するだけならまだしも、呼ばれるはずなんかないのに、「自分だったら」とメニューを四品考えてみたりしないか?。結構同じような人は多いような気がする。

 CMのタイミングで我に返り、チャンネルを切り替えてみる。「どっちの料理ショー」をやっていた。これまた、私の中では「見ても見なくても~」、ビデオに録るまでもない番組にくくられている。それでも、自分には全然関係ないのに、どっちの方が食べたいかを考えたりする。この日、私が推す餃子ライスは肉野菜定食ライスに負けた。それこそ、どうでもいい話なんだろうけど。

(秀)