第1182話 ■深夜番組の迷走

 秋のテレビ番組改編期を経て、深夜の時間帯も新たな番組がスタートしたが、どうも面白いものが(見つから)ない。夜更かしして見るほどのものではないし、ビデオに録って見るほどのものもない。その一方で、面白いとされている(必ずしも私はそう思わないが)番組がゴールデンの時間帯へと格上げされて行く。

 しかし、そこに大きな間違いがある。深夜で受けたからと言って、ゴールデンの時間帯で受けるとは限らないし、むしろダメになってしまうパターンが多い。例外的に見える「トリビアの泉」も最初からのファンは深夜の時が面白かったと言っている。一旦はゴールデンへの進出と(意図的に)話題になるが、やがてその多くは深夜枠に戻るでもなく、番組欄から消えてしまう。

 こうして晴れてゴールデンに進出した番組もそのことにより、寿命を縮めることになる。日陰を好む植物を無理やり日なたに出したために枯れてしまった、そんな感じだ。そんな運命を前に制作サイドに心理的なストレスがあるとすれば、面白い番組などできようもない。「出る杭は打たれる」。打たれない深夜番組ばかりが番組欄に並んでいる感じだ。

(秀)