第1449話 ■うるう年

 会社の同じ課で、私の隣の席に座っている後輩が、先日から奥さんの出産とあって落ち着かない。何しろ初めての出産である。「陣痛が始まったので、休みます」と会社に朝電話があったのは数日前。「まだ生まれません」と昨日会社にやってきたが、午後から休暇を取って病院へ駆けつけた。

 「せっかくだから2月29日(生まれ)って言うのも良いねえ」と私は他人事の無責任さからこんなことを口走ってしまっていた。そして今朝、彼から会社への電話を私が取った。「生まれました。昨日」。おめでとうと言いながら、ちょっと残念な気がしたが、まずは無事な出産で良かった。男の子だった。

 今年はうるう年だが、正しい表現は「うるう日のある年」のはず。この日に生まれた人は世の中にどれくらいいるのだろうか?。ちょっと計算してみた。日本の人口を1億3千万人として、日にちの偏りがなく、それぞれの日に同じ割合で生まれたと仮定する。この1億3千万人を365.25で割る。この端数がミソだ。

 すると答は約35万5,920人になる。これが普通に365日ある年の日にち別の誕生日の人数となる。2月29日生まれの人は、この数字の4分の1なので、約8万8,980人となる。確率的には約0.068%だ。多いんだか、少ないんだが????。

 4年に一度のこの日に何か特別なことが起きないかと思い、当日の夜まで待ってみたが、特段何も起こらず、数字遊びで原稿を書き上げることになってしまった。

(秀)