第1590話 ■ばらまき給付金

 麻生内閣の「新総合経済対策」の目玉とも言える、定額減税のやり方が、現金かクーポン券による給付方式と決まったようだ。その総額2兆円。国民の数で頭割すると、ざっと1万5千円といったところか。果たして、ありがたいと受け取って喜ぶべきか?。それとも、もらうもんはもらって文句を言うか?。もちろん、私は後者だ。

 クーポン券と言われると、かつての地域振興券を思い出す。1999年のことだった。あのときは配布対象者の年齢に制限をつけていたため、配布総額は今回の規模の約3分の1、約6,200億円だった。果たしてそれで地域は振興しただろうか?。つり銭が出ないし、使える店が限られ、一方、使われた店も現金化するのに、手間だったように思える。結果、何も残らなかったような。

 じゃあ、現金なら良いのか?、というわけでもない。選挙の前後に経済対策の名の下に、政府・与党の判断で国民に金を配るのである。タイミングが悪すぎる。いや、わざとそうなのかもしれないが。これでは、「ばらまきだ」と言われても仕方がない。一方で、私は本当にこの給付方式の還元が経済効果をもたらすのかどうかに疑問がある。

 私は「年度内」と言われながらも、いつもらえるか分からない給付金よりも1ヵ月半後に支給されるボーナスの方が気になってしょうがない。給付金では全く補えない程の冷え込みがあるのではないかと危惧している。

(秀)