第1665話 ■新型インフルエンザ

 いろいろと分からないことが多いが、新型インフルエンザウイルスは着実に私たちの身の周りにも近づいて来ているのは間違いない。ここ数日、あれよあれよと言う間にWHOによる警戒レベルがフェーズ3→4→5と強化された。広範囲に人から人への感染が認められる状態ということになる。警戒レベルがフェーズ3から4に変わった時点で、国内では新型インフルエンザの発生が宣言されている。

 当初新型インフルエンザとして発生が予想されていたのは鳥インフルエンザを発症源とするもので、ウイルスの型で言えば「H5N1」であるが、今回は豚インフルエンザが発症源で「H1N1」の亜型と分かっている。毒性は低く、タミフルやリレンザで対抗できるとの話もある。強毒性の鳥インフルエンザを発生源としたインフルエンザを想定して作られていた対策を、今回はどこまで忠実に実践するべきなのかの迷いがありそうだ。例えば、県内に感染患者が見つかれば、県内の学校は全て閉鎖というガイドラインがあったが、弱毒性でも本当にそこまで必要かと。

 我々の対策としては外出をできるだけ抑えるために、食料品などの備蓄が挙げられる。しかし、電気やガス、水道などは通常通り使える前提で準備しておけばよいのだろうか?。弱毒性だから、ライフラインが途絶えることはないだろうと、高を括っているが、本当のところは、その瞬間を具体的にイメージできないというのが正しい。

 水際対策として、政府が検疫に懸命であることは分かるが、完全に侵入を防ぐのは事実上無理ではなかろうか?。と言うか、検疫を開始する前にメキシコなどから帰国した人はいるだろう。発症はしていないが、感染によりウイルスは既に国内に持ち込まれているのではなかろうか?。そうこうしている間に、成田空港での検疫で、米国から帰国した女性1人が機内での簡易検査でA型インフルエンザと判明したらしい。新型インフルエンザかどうかの決定はまだ出ていないが、新型である可能性は十分ある。周辺座席の人々約20名も空港で足止めされているようだ。

 このような感じで日々刻々と事態は変化している。分からないことは依然としてまだ多い。「自分だけは大丈夫」という感じなのだろうか、国内ではまだ穏やかである。ただ、ゴールデンウィークのこの1週間で事態が大きく変化するような気がしてならない。杞憂であることを望むのだが。

(秀)