第1927話 ■タラレバ娘の心理学

 まずは、ドラマ「東京タラレバ娘」の話題から。現在日テレで放送されているこのドラマはアラサー女性3人を主人公にした恋愛ドラマである。この3人を吉高由里子、榮倉奈々、大島優子が演じている。吉高は売れない脚本家、榮倉はネイリスト、大島は実家の居酒屋を手伝っている。彼女たちはとりわけ恋愛には寂しい状況で、加えて吉高は仕事の上でも厳しい状況に置かれている。そこに坂口健太郎演じる金髪の青年が絡んでくる。

 彼女たちは過去を引きずっている。「あの時、あーだったら」、「もっと、こーしてれば」というところが、タラレバという題名に集約されている。坂口は「タラレバさん」と吉高のことをそう呼ぶ。「タラレバ言ってても仕方がない」、「時間は巻き戻せない」とひたすら前を向いて生きていこうとするが、恋や仕事で躓く度に、3人の女性はタラレバ話を口に出してしまう。漫画である原作では、彼女たちは33歳という設定らしく、厄年ということも元々の設定にはあったのではなかろうか?。

 実は当コラム前話のアドラー心理学のドラマについて書くにあたり、再度本を読み返すほどの時間はなかったので、そのときに記した読書メモを見返してみた。そして、その中に見返してドキリとする内容があった。「もしも」の可能性のなかに生きているうちは、変わることなどできない、というもの。まさに「タラレバ」という思考の中に居る限りは、変わることができない、とアドラーは説いていた。

 これからのタラレバ娘達の展開予想だが、3人揃ってかどうかは分からないが、今の状況を克服し、タラレバから脱出してのエンディングを迎えるのでは、と思っている。50歳のおじさんにこのドラマの彼女たちがアラサーのリアルな姿なのかは分からないが、20代後半になった我が長女は、このドラマを楽しみに見ている。ちなみに先期は「逃げ恥」を楽しみにしていたなあ~。

(秀)