第523話 ■社会科の勉強

 最近、小5になる長女の宿題を見てあげている。今日の宿題は社会科のプリント。5年生の社会科の教科書を開くと、この学年では日本全国のざっとした地理と国内の産業について学ぶようだ。そう言えば、私もこの頃に「四大工業地帯」や、それに引き続いて「四大公害病」などを学んだような気がする。時期は違うが歴史では「四大文明」なんていうもの教わったなぁー。社会科という教科は「四大○○」というのがどうもお好きらしい。

 さて、プリントの方だが、日本の漁業に関する問題である。帯グラフが2つ登場し、漁の様式別の出荷量(単位:円)と就業者数(単位:人)を示している。但し、3つに区切られたグラフのそれぞれの部分がどの様式ものかは伏せられている。問題を読むとそれらは「沿岸漁業」、「沖合漁業」、「遠洋漁業」をそれぞれ指しているようだ。どうも小学生には難しい問題に思える。社会科は記憶に重きを置いた教科であるが、教科書や資料集にこれに関する記述はない。グラフやその後の問題文から答を判断するような問題の作りである。記憶偏重の問題よりは良い傾向と言えるが、如何せん問題が小学生向きではないと思えたのだ。

 ところで、教科書を捲っていくと、いろいろと疑問が出てくる。あいにく、農業や漁業の問題を覚えても、サラリーマンになってしまう(圧倒的にそっちの数の方が多い)と、そんな知識はほとんど役に立つことはない。社会科のこのような分野では、たとえ覚えていて、自分の子供に教えてあげようにも、20数年前の記憶がその時点では既に正しくないものになってしまっていることの方が多いはず。

 教科書は視点が自分たちの身の回りのものから探っていくような構成で、まずは食卓から農業と漁業について紹介されている。次に、身の回りの製品の話題から工業。そしてさらにはそこから公害や環境問題について紹介されている。しかし、現在の日本の産業構造上、最も規模の大きい、第三次産業については触れられていないのだ。これでは肝心な部分が欠けてしまった国内産業を、子供達は一生懸命学んでいることになる。

 こんな、実状に照らして決して正しいと言えず、将来に渡って有効な知識と言えないようなことを教えるカリキュラムで次世代の労働力が生産されていることに対して、文部科学省の役人は何ら疑問を持っていないのだろうか?。こんなことを一生懸命勉強して現在の地位を得た人々に言っても無駄かな?。今、そのとき得たものが役に立っているか、聞いてみたいものだ。

(秀)