第527話 ■各論は如何に?!
小泉総理の高支持率は空前の規模。国会中継もこれまでにないほどの視聴率で、ワイドショーでも田中外相や塩爺やらと、話題に事欠かない。田中外相においては本来の機密費不正流用の再調査や再処分に端を発した外務省との確執が、ここのところ、問題発言とリークという問題にすり替えられ、本来の問題に関して何ら前進していない。同様に、小泉総理も前首相からの引き継いだこと以外に新しいことと言ったら、「小泉内閣メールマガジン」ぐらいしかまだやっていない。テレビに露出している時間が長いと何やら仕事をしているような気がして良くない。
ニュースやワイドショーで党首討論のダイジェストが流されたり、田中外相が委員会で追求を受けている場面を目にしたりするが、今国会にもはや重要案件はなく、永田町の人々の関心の多くは都議選と参議院選に向いている。衆議院議員ももしやの同日選挙にドキドキの頃であろう。よって、国会中継など政治的関心から見れば、面白いはずはない、もはや消化試合なのだから。それ以上に、重要な政策の検討が私的諮問機関などのような国会の外で済まされていることが気になる。
「構造改革」とは難しい概念である。言葉の意味はさておき、その具体像が個々の想像によって異なる場合は大変である。世の多くの人は今の政治が良い状態でないと感じているだろう。しかし、その原因を指摘することは難しいし、認識は人によって違うはず。そして、解決策を提示することは更に難しい。「構造改革」を支持する人は自分に都合の良い改革像を描いているに違いない。
「構造改革」では痛みを伴うのもやむを得ない、といった決意の下、改革を実施していく事だけは明らかになっている。「べき論」としては、現状の政治のままで良いはずはなく、早急に改革を行うべきと、多くの人は思っているはず。それが小泉内閣への高支持率の要因の1つと言える。しかし、この具体論となると、自らの痛みに耐えてでも改革を支持することができるであろうか?。「あの人よりはまだ我慢できるから」というのもあるだろうが、そんな人が8割以上いるような改革は難しいと思われる。国民の8割以上の人がアバウトな「構造改革」を支持していても、その具体論が明らかになった途端にこの数字がどう変化するかを見てみたい。
(秀)
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