第529話 ■赤影参上!

 スカパー(一部のケーブルテレビでも)の「東映チャンネル」で「仮面の忍者 赤影」の放送が始まった。かなり久しぶりに見るもので、自分の記憶違いの部分もあったりと、懐かしさとともに、ある種、新鮮なところもあって楽しんでいる。

 この番組は昭和42年の放送開始で、既に生まれてはいたものの、私が最初に見たものも再放送であったようだ。冒頭のナレーションで「豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎だった頃」というのと、この藤吉郎が横山城にいるところから判断して、舞台設定は1570年代ということになるようだ。忍者と言えば伊賀か甲賀ということになりそうだが、赤影は飛騨の影一族という忍者であった。

 赤影はクールで天才肌の忍者であったような記憶があるが、放送を見る限り、必ずしもそうではなかった。相手の攻撃に一瞬ひるんだり、追い込まれて苦しむ姿も出てくる。かぶりもののヒーローでは苦悩する表情などをうかがい知ることができない。そして何よりもあのきちんとセットした髪型が風で乱れてしまっているシーンでは、妙に人間くさくて親しみが湧く。よく見るとあの髪型はカツラだった。

 それに青影は少年忍者ながら、足手まといになるどころか、赤影を助けたりと、重要な働きを演じている。鼻に手をあててやる「だいじょうぶ」というあのポーズもよくまねをした。忍者ごっこもよくやって、おもちゃの刀を背中にひもで背負ったりもしたが、手が短いので、うまく刀を抜くことができなかった。兄にボール紙であの仮面を作ってもらったが、どう見てもあの形ではなく、角張った(背番号のような)数字の8の字の形をしていた。

 最終回では、彼らは任務を果たし、青影が白影へ、白影が赤影にそれぞれバージョンアップし、赤影は黄金の仮面を付け、金影(?)にバージョンアップする。今となって、大人の目から見てみると、仮面パーティーの出席者みたいで、笑える。

(秀)