第565話 ■警鐘
新聞でも良いし、雑誌でも良い。あるいはテレビなどでも良いが、「警鐘を鳴らす」という言葉に接することがある。文末を締めるに好都合な常套句として使用されている。ところで、この「警鐘」って何だろう?。某辞書によると、「(1)危険を知らせ、警戒をうながすために鳴らすかね。 (2)社会に対する警告」と説明されている。
マスコミなどで使用されているのは後者の方だが、そもそもは前者の様に物理的な鐘があったようだ。とっさに、時代劇などに出てくる、火事を知らせる半鐘を思い浮かべた。警鐘と半鐘が同じものなのか、別のものなのか分かっていないが、機能や効果としては同じはず。同じ辞書では半鐘を「火事などを知らせるため、火の見やぐらなどにつるして打ちならす、小さなつりがね。また、その、うちならす音」とある。火事の時に鳴らしている鐘はどうやら小さいものらしい。となると、警鐘はもっと大きなものだろうか?。
「警鐘を鳴らす」というこの常套句に接する度に、誰かが火の見やぐらに登って、その警鐘とやらの(ちょっと大振りな)鐘を打ち鳴らしている絵が浮かんでしまう。ついでに耳元では和田アキコが「あの鐘を鳴らすのはあなた~」と歌っている。妄想、妄想。これであなたもこの妄想の仲間入り。
(秀)
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