第569話 ■手根管症候群

 昨晩の同窓会は、興が乗って三次会まで参加し、お開きになったのは午前2時を回っていた。それでもタクシーに乗れば、ものの10分で家にたどり着ける。この気軽さがたまらない。思ったよりも参加者は少なく、ほとんどが地元に住む者達だった。ここのところ、今回も含めて5回連続、毎年開催されている。もちろん、来年の開催も既に決まっている。

 電車で帰る必要がないことから、弱いくせにいつもより飲んでしまった。無事家にたどり着いたのは良かったが、頭が痛く鎮痛剤を飲んで布団に入る。そのお陰か、朝の目覚めは思ったよりも良かった。しかし、両手の指先に痺れがある。酒がまだ抜けていないのか?、と思ったが、どうやらそうではないらしい。また、あの病気が出たようだ。

 同じような症状が出たのは5年前に始まる。総合病院の中を転々とし、神経内科でたどり着いた答は「手根管症候群」だった。「重い物を持つような仕事ですか?」と聞かれたが、そんな仕事ではない。「子供を抱き上げるのが良くないようです」と医者に言われた。手根管症候群であることは間違いないようだが、原因はそんなことではなく、数日前から使用している小さいノートパソコンのキーボードを打鍵することであると分かったのは、とあるパソコン雑誌の記事を読んでからである。しばらく、そのパソコンの使用を中止したら痺れの症状は出なくなった。

 ここ数日、帰省中に使用していたのは、ノートパソコンよりも遙かに小さい、モバイル端末である。多少キーは大きいはずだったが、こんな有様だ。コラム2本とメールをいくつか打っただけなのに。キーサイズだけでなく、打鍵したときのキーの深さやクリック感も影響がありそうだ。普通のキーボードやノートパソコンではこんなことはない。もちろん、個人差もあるだろうが、皆さんもお気を付けあれ。

(秀)