第605話 ■読書の秋

 秋だ。芸術の秋、食欲の秋、味覚の秋、スポーツの秋。秋の夜長。なら、やはり読書の秋だろう。我が本棚には買ったまま読んでいない本が溢れている。カバーを付けてもらっているので、すぐさま本のタイトルは分からないから、タイトルを見て、「ゲゲ!」っていうのも出てくる。買ってからもう随分時間が経っている。いったいこんな感じの本が何冊あるのだろうか?。かつてそれを一覧表にまとめてみようかと思ったが、あまりにも自虐的な行為だと気が付いて、思いとどまったことがある。そのときからもまた本は増えている。数年分のバックオーダーを抱えているに違いない。

 「本を読みたい」という欲求は強い。しかし、現実には遅々として読み進まない。そもそも読むのが遅いし。書店であれもこれもと、気の向くままに本を買ってみたい。しかし、そんな金はない。それ以上にそれらを読む時間が取れない。休みの日だからと言って、ずっと一日中読み続けられるわけでもない。こればかりは金を出せば何とかなるというものではない。そういう意味では、読書とは非常に贅沢な趣味だ。せめてもの救いは、何にも強制されていないから気が楽なこと。仕事で読まなければならないとなるとこうはいかない。

 時間がないなら、こんな駄文などを書かなければいいのだろうが、そうはいかない。十六夜の夜(2日)。月は傾き、夜は更けていく。今日も夜は長いか?。けど、ちょうどいいタイミングで睡魔がやって来る。

(秀)