第685話 ■織原ちはる

 今クールのテレビドラマも3回分の放送が済み、今週4回目というのが多いようだ。今回もいろいろと見ているが、もちろん、ビデオに録るだけで一度も見ていないものもある。さて、どうなることやら。今クールは女性が主人公のドラマが多い。しかも恋愛をタイトルに冠してまでいる。「恋するトップレディ」と「恋ノチカラ」、「婚外恋愛」である。これに「初体験」も表現こそ違えど(ストレート過ぎ)、同じく恋愛ドラマだ。あいかわらず恋愛ネタは多い。男が主人公ではあるが、「ギンザの恋」もまた。

 「~トップレディ」は中谷美紀(役名:織原ちはる)が亡き父親の後を継いで市長として活躍するドラマだ。2回目の放送でその選挙戦が登場し、早くもドラマの見所の一つは終わってしまった感。若い女性が主人公なだけに恋愛の匂いもあって当然だろうが、この設定だけでも十分なストーリーの素材となるにもかかわらず、わざわざタイトルに「恋する」と付けるほど欲張って、恋愛ネタに話を仕向けなければならないのかと多いに疑問が残る。相手(と思われるの)が柳葉敏郎というのも、ちょっとなー。

 しかし、中谷美紀のキャスティングは見事である。普段着感覚の市長を見事に演じている。当選後の初登庁の際も選挙期間と同様、いつもの様にジーパンに皮のロングブーツ、皮ジャン。そして冷え性のため、手には使い捨てカイロを握って仁王立ちになった彼女の姿は圧巻であった。パチ、パチ、パチ(拍手)。カイロを握らせる演出の細かさが嬉しい。友人役の山口紗弥加の演技もリアルで良い。ただ、毎回のドタバタは、エンディングが読める予定調和な作りであるため、これはいただけない。

 まあ、悪口もいろいろ書いたが、中谷美紀のリアルな演技は秀逸、好きなドラマであることは事実だ。ところで、恋愛ドラマに出てくる主人公のほとんどはその時点で恋人がいない。何故だ?。

(秀)