第724話 ■ブルドッグ

 今週あたりは番組改変期とあって、テレビではスペシャルバラエティが目白押し。最近はドキュメンタリー物が多い。警察や病院、それに子だくさん。それでコンスタントに数字が読めるからといっても制作サイドにはもうちょっと頭をひねって欲しい。

 そんな中、フジテレビのものまね番組を見た。けっこう何も考えずに見られるお気楽番組であるため私の好きな番組だ。何より、ものまねで1コーラスを歌い終わった後に、その本人が出てくる場合があり、そこが特に好きだ。この日の放送には「フォーリーブス」が出てきた。実に24年ぶりの再結成らしい。

 昨今、芸能界に君臨するジャニーズ事務所。そのジャニーズ(さすがにここまでは知らない)に次ぐスターとしてフォーリーブスは昭和43年にデビューしていた。フォーリーブスとは四葉のクローバーのことである。当時は結構テレビにも露出して売れていたはずだが、不思議と覚えている曲はあまりにない。まあせっかくなんで、念のために記しておこう。「地球はひとつ」、「急げ!若者」、「踊り子」。それになんと言っても「ブルドッグ」を忘れてはならない。

 ブルドッグは彼らの代表曲である。テレビっ子でかつ、ませガキだった私は当時の歌謡曲を次々に覚え、今も覚えていたりする。この曲もそうだ、1コーラスならソラでも歌える。この日のテレビでもやはりこの曲を歌った。ところがこの曲が彼らの代表曲であるのは歌詞や曲ではなく、サビでのゴム紐プレイにあったのを覚えている人は多いはず。

 彼らのいでたちはデビュー当時のトシちゃんのような服に、腰にそれぞれが帯紐のようなものを巻いている。マイクはスタンドマイク。後半この紐(実はゴム紐)を歌いながらほどき、それを首にかけ、下は右足で固定する。そしてサビの「ニッチモサッチモどうにもブルドッグ」という歌詞にあわせて、そのゴム紐を両手で開いたり閉じたりする。冷静に考えれば何を意味した動作なのか、さっぱり分からない。それでも初めてこのシーンをテレビで見たときには子供ながらにとても驚いたものさ。

(秀)