第881話 ■あんグラ☆NOW!

 最近テレビが面白くない。特にバラエティ、エンターテイメントの分野が弱い。ほぼ考えられるスタイルが出尽くしたと言ってしまえばそうかもしれないが、それではあまりにも身も蓋もなさ過ぎる。マンネリ化する辞め時を逸した番組といつの間に終わってしまったかも分からないような番組ばかりだ。

 所詮この「あんグラ☆NOW!」もいつの間にか終わってしまう部類の番組だと思うけど、私はこの番組の制作ポリシーが好きだ。月曜日の22:54から日本テレビで放送されている。大竹まこと、高田純次、渡辺正行の濃いー3人が毎週女性ゲストとゲームをしてメシを食う番組である。ただそれだけであるが、シンプルゆえに面白い。ゲストは「欲求不満の美女」として、それを3人で癒してあげる代りに食事を奢ってもらう。但し、4人のうちゲームをして負けた1人だけがそのメニューを食べることができない。

 ゲストの女性も金は出すけれでも、ゲームに負けてしまえば御預けをくらう。だいたい負けるのは渡辺になることが多い。またゲームには勝っても、よそ見している間に高田純次あたりに横取りされてしまうのも彼の役どころである。また、3人のオヤジたちはゲストの懐具合など一切気にせず、高いものを次々に注文する。台本とか段取りとか一応あるだろうが、ロケが始まってしまえばその通りに行くはずはないメンバー達である。大人のDAISUKIみたいな番組だと思ってもらえれば、あながち間違いではないだろう。出演者全員とても楽しそうだ。

 多くのバラエティ番組はスタジオでの段取りでガチガチに固められたものが多い。そうなると出演者のキャラクターが生きてこない。また、出演者やゲストを増やしたり、会場の素人に依存したりするのも、その場だけが段取り通りに盛り上がっているような気がして興ざめだ。「笑っていいとも」のタモリよりも「タモリ倶楽部」の彼の方が遥かに生き生きとしている。とりあえず、バラエティ番組はスタジオものより、ロケものが面白いというのが最近の私の観察結果。

(秀)