第917話 ■サバイバー(1)
正月の深夜にテレビで「サバイバー 日本版」なる番組が2夜にわたって放送され、それを見た。番組のナビゲーターをネプチューンがやっている。今回の深夜の放送分というのはこれまで放送された分をまとめて放送したもののようだ。通常は一回の放送で決着はつかないだろうが、このときはゲーム開始から優勝者が決まるまでの単位(番組ではこれをシリーズと呼んでいる)を各日1.5シリーズずつ、合計3シリーズ分、まとめて見ることができた。
番組の中身を紹介すると、男女8名ずつの合計16人のサバイバー達が無人島などで約6週間のサバイバル生活を行い、ゲームなどで生き残りを賭け、最終的に残った一人が賞金1,000万円を独り占めするという趣向である。この間、3日に一度の割合で脱落者が一人ずつ選ばれては、消えていく。シリーズ前半は男女4人ずつに分かれての団体戦で、チーム対抗のゲームを行う。
これらのゲームは「追放免除ゲーム」と呼ばれる。そして負けた方のチームは「追放審議会」を開き、互選でチームから一人の追放者を決定しなくてはならない。投票開始時に司会者が放つ、「結論は何があっても覆りません」という台詞でちょっとした緊張感が走る。この前半戦は団体戦であるため、ゲームで足を引っ張ったり、貢献度が低い者から落とされていく。
こうして残りの参加者が10名になった時点で、それぞれのチームは解体され、現存者全員が合流しての個人戦へと移行する。今度は「追放免除ゲーム」の勝者一名のみが追放免除権を獲得し、それ以外の者を対象にこの勝者も含めて追放者を投票で決める。前半戦の場合もそうだが、「追放免除ゲーム」終了から「追放審議会」開催までには数時間の時間がある。この間に追放者選択を巡って盛んな駆け引きが行われる。
サバイバルゲームでありながら、その食住の困難さをそれほど取り上げるでもなく、大自然を前に共同で生き延びていこうとする清々しさなどは微塵もない。またゲームにより、その力を示し、最強のサバイバーとしての適用力をPRすることもあまり意味がない。かえって追放の対象者になりやすい。ただそこにあるのは策を弄し、相手を蹴落とすことに終始する参加者の姿でしかない。
<つづく>
(秀)
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