第943話 ■第13代 市川團十郎

 今週は市川新之助の隠し子騒ぎがあった。世間では賛否いろいろと反応があったと思うが、わざわざNHKに抗議の電話をする奴もする奴だが、それをわざわざ「NHKに抗議殺到」と報じるバカマスコミにも頭に来た。「あっ、そう。苦情来てますか。大変ですね」、なんて電話でも掛けてこの記者は取材しているのか?。CMスポンサーに確認している奴も同じ。何をお前等そう騒ぐ。

 別に彼は子供がいることを隠していたわけでもなかろう。独身であるから誰もが子供がいると思っていなかったから騒いでいるだけではないか?。そんなことで隠し子騒ぎとなるなら、誰もがいちいち家族構成なんぞを会う人それぞれに告知しなくてはならないではないか。名刺交換をしながら、「妻と子供が…」とでもやるのか?。面倒なので、名刺の裏に家族構成を刷ったりして。別に法律を犯したわけではないし、不倫していたわけでもない。当人同士が納得し、それに認知し、養育費も払っている。それでなんで、ドラマやCMの降板と騒ぐ必要があろうか?。確かに子供にとっては親の身勝手で可哀想な気はするが。

 マスコミは「武蔵 市川新之助に隠し子」と見出しを付けるが、武蔵なんかどうでも良い。彼にはそんな冠なんか不要となる日が約束されているから。彼の父親は第12代 市川團十郎である。まあ、市川團十郎の家系は養子によって継承されたところもあるが、不慮のことがない限り、長男である新之助が第13代團十郎となるのは間違いない(途中、海老蔵を襲名するかもしれないが)。誰もが名前だけぐらいは知っている、歌舞伎界の中でも最も名門と言える市川宗家の次期團十郎である。彼の職業は歌舞伎俳優や歌舞伎役者ではなく、「第13代市川團十郎(予)」または「次期市川團十郎」と名乗るに値する。

 新之助の子供は女の子だったが、もしこれが男の子だったら、とちょっと考えた。もしそうだったとしたら、その子は第14代市川團十郎となるべき運命を背負っていたかもしれない。「14代目が隠し子」というのはマスコミがいかにも好みそうなスキャンダルネタになってしまう。もっと大騒ぎになっていたことだろう。実は今回もマスコミはこれを狙っていたかもしれない。梨園では伝統として一般社会では通用しない部分がある。甲斐性だったり、芸の肥やしと結構寛大だったのだろう。それをわざわざ一般人や芸能人と同じ尺度で報じる必要はなかろう。役者として舞台で結果を出せばよい。こんなマスコミなどの意地悪にめげず(多分本人は全然めげてなんかいないと思うが)に精進してほしい。いよっ!成田屋。

(秀)