2003年1月

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第934話 ■うるう曜日(1)

 定例の閣議は毎週木曜日の午前中に首相官邸で行われている。国会会期中であるため、一刻も早くこのような儀礼的な会議は終わらせて、国会対策のための準備に取り掛かりたいと誰もが思っていただろうが、この日の閣議は議論百出で予定の時刻が過ぎても会議が […]

第933話 ■値引き交渉

<前話からのつづき>  値段交渉の駆け引きというのは、気分的に楽なことだ。とりあえず、私にとっては。交渉のポイントは値段のみ、多少枠を広げるとして、オマケの交渉ぐらいであるため、相手と長い付き合いになることを気にするようなことも一切捨てる。 […]

第932話 ■「月刊 自家用車」

<前話からのつづき>  翌日は日曜日。車の下取り査定は月内のみ有効で、月が改まると査定はまたやり直しとなり、もちろんのこと、その額は下がる。敵の決算を控えた3月で勝負をするのが最も効果的であることは確かであるが、あと2ヶ月待って、その査定の […]

第931話 ■宇多田ヒカルと衝動買い

 この前の週末、宇多田ヒカルに誘われて、トヨタの某ディーラーショールームに足を運んだ。もちろん、彼女に電話なりで、「一緒に行こう!」などと誘われたわけではない。彼女の新曲「COLORS」を使った新型車「WISH」のCMを見て、実際にその車を […]

第930話 ■近未来事件簿・デノミ情報漏洩

 最初の変化はまず株価に現れた。印刷関連、それに紙・パルプ関連の会社の株に急に買い注文が殺到し、軒並み高騰を見せた。それは特定の会社に集中するわけでなく、その業界、くまなく買われた。勘の良い証券マンたちはそこに何やら大きな変化を予測したが、 […]

第929話 ■近未来事件簿・自動販売機経済論

 江戸幕府が元禄期に貨幣の改鋳を行い、金の含有量を下げることで、その上がりを幕府の手中にした話は有名だが、それは貨幣が金を含んでいたから意味のある話で、紙切れをいくら刷り直そうともそこからいくらかの上がりが政府の借金を補填するものではありえ […]

第928話 ■締め切りも悪くない

 広く一般的に世の中にはとりあえず、締め切りというのがある。私は平日毎日コラムの締め切りを抱えている。会社からの帰りが遅い日などは食事や入浴を終えて、夜の11時ごろから締め切りまでの60分の戦いが始まる。どうせ趣味なのだから、そんな思いまで […]

第927話 ■スカイラインの迷走

 私のコラムの中で最も登場回数が多い車は間違いなく、スカイラインだ。それは私が初めて買った車であり、今に至っても最も愛している車であるからに他ならない。「ならば、今もスカイラインに乗っているのか?」と訊かれると、しゅんとなってしまわざるを得 […]

第926話 ■人生最悪の日の確率

 まずこの日最初の不幸は就業開始まもなく、何の予告もなく現れた。「検索したいデータがない」という一言で、そのデータベースを開いてみたら、そのデータベースから大量にレコードが消失してしまっていた。そのデータベースの管理者は私である。慌てた。何 […]

第925話 ■「壊すな」と叫ぶ人々(2)

 もう1つの話題は、言わずもがな、東京品川区の美智子皇后の実家、旧正田邸の解体を巡っての問題についてだ。「残すべき」と主張する人々の内容がいくつかに分かれていて、そのためか解体の是非を判断する上で私も多少迷うところがある。有無も言わさぬよう […]