第389話 ■キューティーハニー

 私の携帯の呼出音は現在、キューティーハニーのテーマである。1ヶ月ほど前、銀座で「いとしのエミー」という芝居を見に行った時の話。開演間際に誰かの携帯がどこかで鳴り始めた。しかも大音量で。みんなは周りを見回し、その憎っくき発信源を探しまわる。やがて館内放送が流れた。「誰だ?、誰の携帯だ?。いっけねえ、俺んだ」。「皆さんも携帯の電源が切れているか確認して下さい。ここは地下だけど、電波届いちゃうんだよ。それと、上演中のメールチェックもやめてね。九官鳥をお持ちの方は受付にお預け下さい」。場内大爆笑。殺伐とした開演時の注意事項がこんな洒落で行われるとは。それに選曲のセンスが妙に気に入ってしまった。だから私もキューティーハニーにした。

 キューティーハニーのタレビアニメとなると、2年程前にもテレビで放送されていたが、これはリバイバルで、そもそもは昭和48年に放送されていた。意外なことに(資料によると)放送時間は土曜日ながら夜の8時半からと、アニメ番組としては異例の時間帯である。ちょうど「8時だョ!全員集合」後半の裏番組にあたる。と言う事は当時、私はこのアニメを見ていないことになる。家族揃っての時間帯に「ハニーフラッシュ」はないだろう。しかし、ハニーフラッシュのことは当時から知っていた。

 主人公の如月ハニーはアンドロイドで、「ハニーフラッシュ」と叫び、瞬間全裸になってキューティハニーに変身する。キューティーハニーの魅力は何よりもこのハニーフラッシュに尽きる。リバイバルにあたって、歌い手やアレンジは変わったようだが、曲自体は同じ物が使用されていた。さて、25年の歳月を経ても、「お尻の小さな女の子」が「この頃流行の女の子」だったのであろうか?。「だって何だか、だってだって何だもん」という歌詞は依然意味不明。