第1892話 ■キンドル読み放題報告
過日、アマゾンKindleの読み放題プランについてコラムを書いたが、今日はその後の経過について書きたい。昨日数えてみたら、3週間で40冊を読んでいた。技術系や自己啓発系の物が多い。このシステムは手元に置いておける本の冊数が10冊と決められているため、そのうち読もうと思うものも確かにあるが、大半はすぐに読んで、使用を終了させている。貸本みたいなシステムである。
テレビの録画番組が溜まってくると心理的な負担を軽くしたいという意識が働くせいだろう、時間が短めの結構気楽に見られるバラエティ番組などから消化していくことがないだろうか。まあ、そんな感じだろう。そもそも読み放題の本は単価が安かったり、いわゆるセルフパブリッシングの物が多く、本屋に平積みになるような話題作などはほとんどない。単価が100円とか、500円までくらいのものが多い気がする。
電子書籍のデメリットは立ち読みができないことだった。サンプル版という形で冒頭を公開しているものの、まえがきと目次程度では、逆にストレスが溜まる。結果、安いからと買ってしまって、つまらなかった電子書籍を買ったこと数知れず。もし本屋でページを捲っていたら、きっと買っていなかったはず。もっとも、セルフパブリッシングでは本屋に並ぶことはない。
そんな本来なら買わないだろう本や、買って後悔したらどうしよう、という本を片っ端から読み漁った結果が40冊の大半である。実際にちゃんと読んだ本は5冊くらいか。大半は読んでいると言うよりも捲っている感じでの斜め読み。個々に金を払って買っていたら、例えつまらないと思っても辛抱して読んでいたかも知れないが、むしろ時間の方がもったいないという思いが、今回より強化された。
例えば、図書館に行って、読みたい本を10冊手元に置いて、ページを捲っている感覚が近いかもしれない。これに、場所はどこでも良くって、返しに行く手間もなく、貸出中もないというわけだ。ちなみに私は図書館で本を読んだり、そこで本を借りたりをほとんどしない。とりあえず、自室のデスクを離れ、すぐそばの安楽椅子に腰を下ろし、例えば1時間と決めて、集中して読む。
以上のように、読書における費用と時間の価値バランスが一転した。これは、本は全部読まなくても良いという意識があったからこそできたことだと思う。その本を読んでためになることなんて、ほんの1ページしかないかもしれない。それを探してタブレットの画面を指でなぞっている。一通り、このスタイルでの読み方が一段落したら、読むスタイルも変わるかもしれないが、どう変わるかなんて、まだ予想がつかない。そのときには、またいずれ書きたい。
(秀)
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