第1451話 ■物欲の病
私はこれまで、このコラムで物欲について何度も書いてきた。一過性だったり、波があったりと、精神衛生上、結構影響が大きい。聖人君子ならまだしも、私は俗物であるため、この物欲という、しがらみから抜け出ることができない。
私は電子手帳に「物欲」というファイルを作って、あれこれ欲しいものの名前や金額、評価ポイントといったコメントなどを書いている。そしてことあるごとにこのファイルを開いては眺め、そしてため息をつく。そしてたまにはその欲しい順に並んでいる記載順を変更し、熟考の結果か、はたまた熱が冷めたのか、物欲が冷めたものは、そのリストの後の方に移動させる。
「物欲」リストを開いてよく見ると、あることに気が付く。それはまだ持っていないもので欲しいものよりも、既に持っているものの買い替えのものが圧倒的に多い。例えば、速いパソコンやブルーレイのレコーダーなど。今持っているもので、さほど問題はないのだが、更にグレードアップした物が欲しくなる。
また、リストの中にはまだ世の中に存在していないものまで記載している。今、世の中に出ている現行機種の後継機、なんて記載をしている。仕様的にこの点が後継機で改善されれば欲しい、といった感じだ。これはまだ見ぬ憧れの人を待っているようなもので、衝動的に買って解決できないがために、私にとっては最もストレスの溜まる物欲の内容となっている。
ただ、実際は買うまでが一番楽しく、買った直後から満足度は下降をたどり、気がつけば、「何でこんなもん買ったんだろう」と思う場合もある。これで懲りれば良いのだが、同じようなことを何度も繰り返してしまう。
(秀)
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