第1453話 ■合格発表

 我が長男の高校受験は本日の合格発表を以って終了した。幸運にも第一志望に合格し、首尾良く終了となった。終わり良ければ全て良し。受験は結果が全てだとつくづく思う。なんて、まあこう言っていられるのも結果が良かったからで、これがダメだったら別のネタでコラムを書いていたことだろう。

 さて、我が家では長女に次いで高校受験は2番目であるが、今回は男の子ということで、前回とは真剣味が違う。やはり将来家族を持って養っていくために向けてのポジションを確保しなければならないから。だから家族の熱の入れようも違う。入れ込みすぎて、家人は発表までのここ数日、「胃が痛い」とこぼしていた。それに引き換え、本人が「自信ない」と言っていても、私は結構楽観視していた。こういう予想は良く当たる。そして20数年前の自分の受験のときを思い出していた。

 実を言うと私は自分の高校の合格発表を見に行っていない。中学校の卒業式の翌日で、この日はゆっくりと目を覚ました。やがて家の電話が鳴る。父の友人からで受験番号を教えてくれと言う。教えた。しばらくしてまた電話が鳴る。父からだった。高校に合格発表を見に行って、「受かってたぞ」と。それからまたしばらくしたら、先ほどの父の友人から同様の電話があった。その人は何かと私を可愛がってくれていて、心配で見に行ったのだった。その頃の合格発表には受験番号とあわせて氏名も掲示されていた。そして地方の新聞には名前が載っていた。

 続いて大学受験の時も私は合格発表を見に行っていない。当時、また前回同様、父親の姿がない。やがて電話が鳴った。「受かってたぞ」って。父親は自転車で大学に合格発表を見に行っていた。本当は今日、自分も息子が受験した高校に合格発表を見に行きたかった。親父もあのときは心配だったんだな、って今日改めて気が付いた。

(秀)