第2067話 ■おそ松くん、&さん

 最初のテレビ放送の「おそ松くん」は白黒放送で、調べたところ、自分が生まれるちょっと前から放送を開始していた。この白黒放送、見たような見てないような、もし見たとしたら、再放送で。その後のテレビ化は20数年後。この間、漫画などで読んだ覚えはないけれど、この漫画の設定はちゃんとわかっている。6つ子が主人公のギャグ漫画だ。皆さんもきっと承知で、ここで説明する必要などなかろう。

 その6つ子の名前がちゃんと言えるかな?。とりあえず6人分言えたけれど、順番がわからない。確認したところ、以下の順。1:おそ松、2:カラ松、3:チョロ松、4:一松、5:十四松、6:トド松。一松と言いながら、長男ではなかった。その姿を見たところで私には区別はつかない。漫画の紙面を見る限り、違いがさっぱりわからない。究極の間違い探しだ。

 一方、5年余り前から、「おそ松くん」を原作とし、彼らの数年後の姿を描いた「おそ松さん」のアニメ放送が始まった。現在もそのシーズン3が続いている。おそ松くんでは十歳だった彼らも、その後二十歳を過ぎた大人の彼らの設定。いずれも定職に就かず、ニートという設定が如何にも現代風というか、社会風刺を前提としたギャグ漫画らしいと、私としてはうなづける。

 テレビアニメだから色が着いている。これは昭和の終わりから平成のはじめに放送されたアニメでもそうだったが、その時には6人とも同じ配色だった気がする。それに対し、「おそ松さん」はキャラクター別にベースカラーが決められていて、髪形や表情も微妙に変化が付けられている。そして極めつけは個々に有名な声優さんを充てたことで、視聴者がその気になれば、ちゃんと6人を区別することができ、声優を軸とした、いわゆる「推し」が形成されるようにできている。

 むしろ、「おそ松くん」の時代など知らない、「おそ松さん」ネイティブ世代だからこそ受けた戦略かもしれない。最初にテレビの番組表で「おそ松さん」の文字を見たときには嬉しかったけど、今風なテレビアニメにはついていけなかった。

(秀)