第1328話 ■テレビサイドパソコン

 まさに衝動買いと言うよりほかはないが、数ヶ月前にVista搭載のデスクトップパソコンを買った。家庭用テレビを使用するテレビサイドパソコンというカテゴリーのもので、まだ品揃えは少ないが今後伸びるだろうと思って買った。目論見としてはパソコンの動画をテレビの大きな画面で見たいというものだった。パソコン用のモニターが不要で、テレビで代用できるなら、合理的だと思うし、テレビの方が画面が大きい。

 ところが、実際に使用してみるとダメだ。別にこのパソコンが悪いわけでなく、テレビに接続するというコンセプトが良くない。私の場合は26インチの液晶テレビに接続した。確かに画面は大きいし、解像度も高く設定できる。しかし、普通にテレビを見る距離に離れて画面を見ると、文字が小さすぎて読めない。結局、文字を大きくするか、画面の解像度を落とすしかない。すると、情報量の極めて少ない画面になってしまう。

 20インチ程度の画面に接続し、パソコンの場合は至近距離で使用し、テレビを見るときは離れるような使用方法であれば、このカテゴリーの存在意義はあるだろうが、リビングに置いてあるような大きな画面のテレビにつないでしまうと、結局使い勝手の悪いパソコンになってしまう。テレパソも同様の問題を抱えているのではなかろうか。

 ついでにテレビでの動画の再生について言うと、パソコンで動画として見られるから有り難味があったが、テレビとなると、解像度が悪く荒い画面となってしまう。そもそもテレビに動画が映るのは当たり前のことで、それと同じ土俵でパソコンの動画を見ても嬉しくない。むしろ、げんなりしてしまう。おまけに普段テレビで見ている映像はハイビジョンだし。

 こうして、何かと使いにくいパソコンという烙印を押されてしまったパソコンは、現在普通に17インチの液晶画面を付けて、普通のデスクトップパソコンになってしまった。

(秀)