第1412話 ■漫才の凋落

 年末休暇になって、ようやくM−1グランプリの決勝戦の録画分を見ることができた。事前にサンドイッチマンが優勝したことは報道で知っていたし、サンドウィッチマンがエンタの神様に出ていてそこそこ面白いことは知っていた。しかし、サンドウィッチマンって漫才か?。

 これは3回前のアンタッチャブルが優勝したときにも思ったのだが、アンタッチャブルは漫才師ではない。コントだ。それがいつもは衣装を着け、セットを用意してやっているネタを二人が並んで立って、漫才のスタイルさえ取っていればそれで良いのか?。漫才の技量など関係なく、単に面白いネタをいくつか持っていればグランプリも可能だということか?。

 そして今回のサンドウィッチマン。確かにエンタの神様で見せるネタは私も好きだった。しかしそれを、漫才のスタイルでやるだけでM−1で優勝しても良いのだろうか?。私には甚だ疑問がある。確かにM−1グランプリはコンビ結成から10年以内であることが唯一の条件で、それさえ満たせばアマチュアでも参加できる。

 むしろプロの漫才師がにわかに漫才師の振りをしているコント芸人に漫才の分野で負けてしまうのが問題かもしれない。それほど漫才がコントやピン芸に押されている証拠なのかも知れない。じっくりと漫才を聞くよりも短時間で笑えたり、動きがある方が支持されるようだ。

 ついでを言うとM−1グランプリの決勝に出てきたうち半分は全く面白くなかった。漫才の凋落をここでも感じることができる。ああ、往年のMANZAIブームが懐かしい。

(秀)