第1521話 ■大きいサイズでチェックしよう

 「私がフィルムカメラをやめたわけ」、それはプリントをしなくなったからだ。中学生のときから趣味で写真を始め、モノクロ写真についてはフィルムの現像と引き伸ばしのプリントまで、自分でやっていた。カメラもずいぶん買ったり手放したりを繰り返した。しかし、次第に現像や引き伸ばしをするのが手間で、写真を撮ること自体も減ってしまった。そこへちょうどデジカメの波がやってきて、アナログカメラから離れてしまった。

 アナログカメラで撮っていたとき、モノクロ写真は撮り終わったフィルムをとりあえず現像してネガの状態まではするが、プリントができない。フィルムの現像はフィルムを現像タンクに詰め替えてしまえば明るいところでできるし、この詰め替えの作業も手元だけ暗ければ良いので、そのような道具を使って日中作業する。一方、引き伸ばしは暗いところでないとできない。昼間から真っ暗になるような部屋が一般家庭にあるはずもなく、夜を待って、ごそごそと台所で作業をやるのだが、準備や後片付けも含めるとほぼ徹夜作業になる。そこまでの情熱は維持できなかった。

 引き伸ばしてのプリントをしなくなると写真が下手になる。ネガの状態ではピンボケや手振れの状況まで分かりにくい。コンパクトカメラなどでフォームもいい加減で手軽に写真を撮ってしまうようになると、手振れの癖が付いてしまう。これに気づかず、定着してしまうと、大事な場面での写真で失敗を起こすことにもなる。

 デジカメでも手振れについては適当なフォームで、例えば片手撮りなんてすると振れるもんだが、最近はカメラが進歩していて、手振れ補正なんてやってくれる。また、フィルム代や現像代がいらないから手軽にバシバシと撮れるところがデジカメの良さでもある。実際にプリントするのはどれくらいの割合だろうか?。できれば撮った映像はプリントするなり、パソコンの画面で大きくして見るなど、悪い癖が付いていないかを適宜チェックするのが良いと思う。

(秀)