第1544話 ■視聴者よりもスポンサー

 相変わらずと言うか、予想通りと言うか、フジテレビの「27時間テレビ」は、ダラダラした番組だった。さんまを中心にお笑い芸人による、笑いをテーマにした構成だったが、さんまやたけしが頑張っている一方で、今のお笑いブームを支えていると言われている芸人達は、ほとんど面白くなかった。大先輩を前に萎縮しているのかと思ったら、若手ばかりのときが余程面白くなかった。

 それとネット局の地元の素人達をレッドカーペット方式で番組に出す趣向も全く面白くなかった。到底テレビで放送できるレベルのものではなかった。

 そして何より、多くの人が気になったのは、さんまとナイナイ岡村の車をたけしがペイントしてダメにしてしまったことではなかろうか?。ちなみに、さんまは以前にもこの番組で免許を取って初めて買ったレンジローバーをたけしにぶつけられた経験がある。

 ここで注目したいのは、さんまと岡村の車が外車であったことだ。さんまの車はメルセデスGクラス、岡村の車はアルファロメオであった。たけしに何処までの配慮があったのかは知る由もないが、これがもし国産車だったらどうだっただろうか?。実際に確認してはいないが、27時間もあれば多くの自動車メーカーがスポンサーになっているに違いない。もし、自社製品の車がペイントされたり、壊されたりしたらスポンサーは放っておかないことだろう。

 今回のたけしの行動をお笑いということで許容するかどうかにが意見が分かれるところで、実に多くの視聴者がテレビ局にクレームを入れたらしい。対応した局員の本音は「自分に言われてもねー」という感じではなかっただろうか?。視聴者もまとめると怖いが、実際にはそれ以上にスポンサーの方が怖い、というのがこの業界のお約束。

(秀)