第776話 ■ウィッキーさん

 朝、家を出てから頬あたりの髭の剃り残しがちょっと気になる。指(爪)で摘んでみても抜けそうにない。こんなとき「ブラウンモーニングレポート」に声を掛けられたりしないかな?、と思うが、最近このCMを見なくなった。同社のCMは「プラークコントロール」(電動歯ブラシ)に変わってしまったし。しかし、髭が濃いわけではないので、そのロケをやっている現場を横切っても私に声が掛かるようなことはないだろう。

 東京の朝は怖い。今はやっていないが駅でウィッキーさんが待ち伏せているかもしれなかったから。「夏休みは何日ありますか?」なんて英語で聞かれて、英語で答えなくてはならない。見ず知らず(こっちは一方的に知ってはいるが)の他人、しかも外国人にどうしてそんなプライベートなことまで答えなければならないんだ。このウィッキーさんのシリーズは終わってしまったが、最近はクロードチアリのクリスという娘が同じように朝の番組で通行人を襲っていた。まあ、こっちは生放送ではなさそうだが。

 以前、五反田駅で放送終了後で片付けて引き上げていくウィッキーさんの姿を見た。「今日は五反田からだったんだ」と思い、この時間ならウィッキーさんには襲われないんだと変な安心をして会社に急いだ。そう言えば、たまにウィッキーさんの質問に誰も答えてくれず、コーナーが終わるような日があったなー。ウィッキーさんは先日埼玉で行われたワールドカップのカメルーン戦に応援に来ていたらしい。

(秀)