第835話 ■長野県議会に「踏絵」を!

 田中長野県知事の再選は当初から誰の目にも明らかで、今さら驚くべきことなど何もない。私の関心も田中候補が前回の得票数を上回れるかという点のみで、結果は前回の得票に23万票余りを上積みしての見事なまでの圧勝。これで田中県政が支持され、信任されたことがより明らかになった。不信任決議の前後に比べると田中知事はより勢いを増したことになる。

 関心は既に今後の情勢に移っている。不信任を決議した議会会派はこれからどうするのだろう?。不信任を決議したからには解散を覚悟していたのであろう。逆に知事が自ら失職を選ぶとは思っていなかったはず。その証拠として、県政会を初めとする会派が知事選で独自候補を立てれなかったことを私は挙げたい。知事選の準備が全くできていなかった。解散、出直し選挙で多少頭数が減ったとしても再度不信任決議を挙げ、知事を失職させるシナリオだったに違いない。そうなると形勢は知事側に不利となる。

 さて今度は議会解散の番かもしれない。知事が議会を解散させるか?。私の予測ではノーである。当選後の会見で「こうべ垂れ県議と謙虚に対話」と言った手前、議会を解散させることはないだろう。むしろ、「やさしい田中知事」を演じるのが彼には得策だろう。逆に議会が自ら解散を選ぶ可能性はどうだろうか?。もはや以前とは状況が違う。この選挙結果を受け、前回の不信任決議時に比べると知事反対派は相当腰が引けているに違いない。予想以上の田中知事の圧勝で今選挙を行えば、反対会派は壊滅的な惨敗を蒙るに違いない。できればおとなしく来年春の任期を迎えたいのが彼らの本心ではなかろうか?。

 一部反対派の代表格の県議が辞意を発表した。ややパフォーマンス掛かっても見えるが、それはそれで良し。できれば潔く今後の県議選挙には出馬しないでいただきたいものだ。一方、残った知事反対会派は自ら腹を切れるだろうか?。もし彼らが自ら議会の解散を決議できないような場合は、前回不信任決議案に反対した会派(知事支持派)が解散決議案を提出すべきだ。もちろん知事反対会派が賛成しなければ可決しない。一種の「踏絵」である。知事反対会派の度胸を試してやれ!。

(秀