第858話 ■笑点

 最近は全然見ていないが、今もこの番組は続いている。親父が好きでよく見ていたので、その頃は私もよく見ていた。この番組を欠かさず見るようなコアなファンはやはり年配者に多いはず。総じて彼らの笑いの沸点は低い。それ以外の世代ではあまりこの番組を見ている人は少ないかと思うが、この番組の大まかな内容やあのオープニングのメロディを知らない人はいないだろう。

 時間短縮に伴い、多少の番組構成上の動きがあった。以前(しかも随分)は三部構成で、冒頭は芸人による演芸。玉川カルテットやマギー司郎なんかが出てくる。真ん中は三波伸介とゲストのコーナー。神田川俊郎と三波伸介が料理を作ったりしていた。そして最後はこの番組の華の大喜利である。今は真ん中が抜けて、演芸と大喜利の二部構成になっている。

 大喜利のコーナーはこの間にメンバーの多少の入れ替えはあったが、スタイルは以前と全く変わっていない。歌丸師匠は30年近く前から既に頭の毛が薄く、ライバルの小円遊(故人)からそこを攻撃されたり、自虐的にそれをネタにしていた。それからもう30年近くの月日が経つわけだが、相変わらず頭は薄い。しかしこの「相変わらず」というのがすごい。ほぼあの状態を30年間維持しているのだから。

 林家こん平というのが良く分からない。全く面白くないまま、20数年間あの芸風を維持している。「チャラーン」に始まり、「こん平です!」と諸手を挙げての自己紹介も相変わらず。林家一門冬の時代。歌丸師匠の頭もそうだが、この番組の中では時間が止まっている。それでもやや円楽師匠も最近は焼きが回ってきたような気がする。噺家の肝というべき、ろれつが気になる。見ているコアなファンの人々はこのことに気が付いているのだろうか?。リモコンでテレビのチャンネルを替えながら、ふと手が止まってしまった。彼は落語界のジャイアント馬場だ。

(秀)