第906話 ■嗚呼、民主党

 民主党が低迷し、混迷している。鳩山前代表の新党構想からの辞任騒ぎに始まり、その脆弱さが一気に露呈してしまった。一緒に新党を作ろうとした一方の自由党の小沢党首の方は無傷のままなのに、鳩山氏は詰め腹を切らされる羽目に至った。そもそも党内に彼を引きずり落とそうとした勢力がいたのは明らかだ。それで責任を取って党首を辞任したが、別に党を出るわけでも追い出されるでもなく、それどころか、新代表選では壇上で候補者の二人と3人揃って手を取り握手なんかしてやがった。

 それにしても民主党は人材不足だ。新代表選での候補者が菅直人元代表に岡田前幹事長代理。岡田前幹事長代理って誰?。ついでに中野前幹事長っていうのもほとんど存在感がなかった。民主党は新体制で「次の内閣」なるメンバーを発表した。かつて一般的にはシャドーキャビネット(影の内閣)と呼ばれたやつだ。首相はもちろん菅直人。国務相は岡田克也現幹事長。しかしそれ以外のメンバーの名前は私には初めて見る名前ばっかり。顔も見た覚えがない。まあ、世間的にもそんなもんだろう。いや、「次の内閣」を発表したことすら知らない人の方が多いかも。

 そしてここに来て、熊谷前副代表が保守党(の一部?)と新党を作る計画を発表した。保守党は野田党首自ら自民党への移籍の噂が出るほどの党。いざ選挙となると、もはや政党としての組織の体をなさないのではなかろうか?。さて、この熊谷前副代表、これまた知名度が今いち。ニュースでは「大勢に全く影響ない」とまで言われていた。

 民主党も選挙近しとして、党内の評判が良くないながらも、世間受けの良い菅氏を選んだ。しかしもはや彼にかつてのような人気はない。小泉首相が公約の不履行により支持を下げているにも関わらず、民主党が次の選挙で勝てるポジティブファクターは何一つない。それどころか、選挙を睨んで一気に解党的分裂に至るかもしれない。再び新党ブームが来て、政界再編が叫ばれても、自民党を割るようなことがなければ何も変わらないような気がする。嗚呼、民主党。年明けに一気に動くか?。予算審議、景気対策など、通常国会の重要案件はどうなる?。私は民主党の動向よりもこっちが気になっている。

(秀)