2003年

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第1057話 ■モザイク

 私のインターネット歴もかれこれ9年目になる。そのときのWindowsはバージョンが3.1でTCP/IPのプロトコルをインストールするにも別にソフトを買わなければならなかったし、そのインストール自体も専門的な用語が分からないと設定ができない […]

第1056話 ■感じやすい女(5)

 世間的には復旧の一日として木曜日は終わり、翌日の金曜日も会社は休みとなった。何とか土曜日には電車もライフラインもほぼ復旧した。多少の不便はあるものの、我が家族には復旧らしい作業は不要で、むしろ週明けからの方が何倍も大変だった。  久しぶり […]

第1055話 ■感じやすい女(4)

 何事もなかったかのように眠りつづける妻の横で、私はまんじりともできず、そうしていたら空が徐々に白んできていた。  一人で外に出てみると、あの地震の規模で余震がなかったのが不思議なくらいだが、周りは直後からはだいぶ静寂を取り戻していた。作り […]

第1054話 ■感じやすい女(3)

 「そんなバカな話があるもんか!」。  やはり周りの誰も私の話、もっともそれは妻の話を伝えているだけに過ぎないが、明日大地震が起きることなど信じてくれない。いつか大きな地震がやってくる。それは人間にはいつかは必ず死がやってくるのと同じくらい […]

第1053話 ■感じやすい女(2)

 その日、家に帰り着くと家の中の雰囲気が昨日までとは、いや、今朝出掛けたときと比べてちょっと異なっていた。別にこれと言って家具が増えたり、減ったりしているわけではない。よく見ると、棚の上に無造作に重ねられていたものが片付けられている。それだ […]

第1052話 ■感じやすい女(1)

 「ねえ、ちょっと今揺れてない?」  「えっ?」  妻が声を掛けてきて、二人でじっと部屋の蛍光灯の紐を睨んだ。  「揺れてないよ」。  そう答えた途端に、食器棚の方からカタカタを小さな音がしてきた。かと思うと、下から一撃、ドカンと突き上げる […]

第1051話 ■薀蓄とトリビア

 薀蓄(うんちく)って、ちょっと鼻についた感じがする。数年前まであまり秋葉原のパソコンショップで女性の姿を見ることが少なかったが、そんなとき目にする女性の横には男がいて、その女性が買おうとしているパソコンの品定めをしてあげているのだろうが、 […]

第1050話 ■昆虫採集

 昆虫採集、やった。ずいぶん昔のことになるが、私も昆虫採集をやった。しかし、正確な意味においてはそれは採集ではなく、単なる虫の虐殺遊びだったと言わざるを得ない。開き直るわけではないが、世間的に大半がそうであった。昆虫採集セットの普及の割合と […]

第1049話 ■マックの緊張感

 日本マクドナルドが創業者親子を追い出してから雰囲気がちょっと変わったように見える。良く言えば、果敢に挑戦している感じ。悪く言うとすれば、今までのやり方を否定するために、闇雲に新しいことに挑戦している感じ。そのいずれであったかは、暫く後に彼 […]

第1048話 ■教祖は花子

 今年もまた、日本テレビの「24時間テレビ」が放送された。これが終わると、本当に夏休みも、もうすぐ終わってしまう。かつては毎年そう思った。私が小学六年生のときに第1回目の放送があったことをはっきりと覚えている。26回目の放送と言うことは、2 […]

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