(秀)

153/209ページ

第568話 ■新幹線

 帰省のための新幹線の車中。かれこれ5時間座っているが、目的地まではまだまだ遠い。ただいま広島駅を通過。雨が降っている。  ところで、「新幹線」とは妙な名前である。開通から40年近く経とうというのに「新」なのである。「新生代は7000万年前 […]

第567話 ■鬼っ子マンション

 部屋の窓から、石を投げれば届きそうな距離の所に、大きな新しいマンションが建っている。工事着工時は遅々とした作業であったが、実際に階を重ねて積み上がっていくうちに加速度を付け、数日前に足場を解いてその全貌を現した。最近は乾きの早いコンクリー […]

第566話 ■仮想ごっこ

 「仮装ごっこ」ではない。仮想だ。ネットの世界はまさに仮想の世界だ。  「アサヒコム」に「iモード『仮想暴走族』から脱退の少女に暴行 5人逮捕」という記事が出ていた。「携帯電話の『iモード』を通じて結成した『仮想暴走族』から脱退した少女(1 […]

第565話 ■警鐘

 新聞でも良いし、雑誌でも良い。あるいはテレビなどでも良いが、「警鐘を鳴らす」という言葉に接することがある。文末を締めるに好都合な常套句として使用されている。ところで、この「警鐘」って何だろう?。某辞書によると、「(1)危険を知らせ、警戒を […]

第564話 ■夏休み間近

 今年は数年ぶりに夏休みに帰省することにした。今週の後半から、休暇を取る。お金が掛かるので、一人で、しかも新幹線ということになった。特にこれと言った楽しみは無いが、食べ親しんだ懐かしい味を求めて、さまよう日々となるだろう。それと、高校の時の […]

第563話 ■ひと夏の経験

 もちろん、山口百恵の曲のタイトルである。センセーショナルなこの曲の冒頭部分をちびまるこちゃんが口ずさんでいて、母親に怒られるシーンをテレビで見たことがある。確かにあの年頃の子供には過激な歌詞だ。ちびまるこちゃんは小学3年生の設定であり、原 […]

第562話 ■オークションにはまる

 最近、毎日のように我が家に宅配便やら、ゆうパックがやって来る。別にお中元や暑中伺いの進物が届いているわけでない。インターネットでのオークションにはまり、こんな有様なのである。パソコンを立ち上げる度に自分のサイトよりもオークションの結果、状 […]

第561話 ■暑中お見舞い

 暑かった7月も終わり、いよいよ8月だ。もっと暑いのかもしれない。そう言えば、今年は6月から既に暑かった。こう暑いと、エアコンが売れたり、ビールが売れたりと景気を刺激するには好材料かもしれないが、ビール工場を見学した際に聞いた話によると、暑 […]

第560話 ■片思いの美学(5)

  ~ 気づかない女  このままずっと、この店で暇を潰しているわけにはいかない。  わざと時計を見て、次のアクションへのサインを送ってみた。  「どうしたの、時間なんか気にして?。何か用があるの?」  「ううん、別に。用はないけど、そろそろ […]

第559話 ■片思いの美学(4)

 ~ 頬杖をつく女  彼女の話にはもう一つ驚くべき点があった。同窓会の後日談と言われる話があまりにも筒抜けであることだ。ということは、今夜の自分たちのことも暫く後には彼女達の噂話のネタにされているかもしれない。しかし、何しろ10数年の念願叶 […]

1 153 209