第2042話 ■全肯定から始めたい

 20年あまり雑文を書き続けて、この間もできるだけ主義・主張は変えることなく書いてきた。しかし、20年という時間は長いもので、やはり多少の変化は出てきている。前向きにそれらを成長ととらえたい。齢50半ばになろうとも、まだまだ伸びしろがありそうだ。

 その変化とはまさに、その一端を書き記したが、全てをまずポジティブに肯定的に考えようと思うようになったこと。逆に、ネガティブな否定的なことが嫌いになってきた。実はこの変化のはざまでは、自身葛藤があって、しばらく当コラムの執筆を休んでいたのはこのためだった。今思うに、以前の様に批判的なことばかりずっと書き続けていたら、きっと死ぬ間際に大いなる後悔をしていたに違いない。そのことに気が付いただけでも良かった。

 ダメなものをダメと言うのは簡単だが、それが存在する、あるいは変えられないのには何らかの理由があると考えるようにした。だからその根本がわからない限り、正確な解決策は提示できないと思う。しかも推測ではいけない。事実からスタートしないといけない。人間はズルいから、自分に都合が良いように事実だけでなく、推測を含んで話してしまう。そして共感を得ることでちょっと気持ち良かったりする。

 批判で息抜きにしている人なんか、終始イライラしているのだろうか?。そんな時間を後から振り返った時にどれほど虚しいと思うかを想像するだけで怖くなる。批判ばかりしていくとやがて人を許せなくなりそうな気がする(実際にそんなことはないだろうけど)。とりわけ、SNSはじめ、ネットの世界がこのような負のエネルギーで満たされていくことに大いなる不安と嫌悪を感じる。まずは肯定してその理由や背景を考えてみるってことは、ものごとをもっと多面的に見られるようになるはず。

(秀)