この話題が通じるのは30代半ば以上の人かもしれない。今から25年以上は前のことだと思う。土曜日の夕方に「日米対抗ローラーゲーム」という番組がテレビで放送されていた。文字通り、ローラースケートのゲームであるが、中身は格闘技の要素を持っていた。スケートは今のインラインやブレードと言われる形ではなく、かつての片足4輪のローラーが付いたシューズである。

 ゲームはざっとこんなルールだった。コースは1周が50メートルぐらいのトラックで、コーナーにはもちろんバンク(傾斜)が付いている。そのコースの上を5人1チームの合計10人がグルグル回っている。チームにはヘルメットが2個与えられており、このヘルメットをかぶっているプレーヤーがポイントゲッター(ジャマーと言うらしい)となる。ジャマーはゲーム途中でもヘルメットの受け渡し(もちろん走りながら)で適宜交代が可能である。このジャマーが相手チームのプレーヤーを1周1人追い抜くことで1点加算されるという、それだけの単純なルールである。  日本チームの名は「東京ボンバーズ」。現在でもひっそりと活動しているらしい。相手の米国チームの名は忘れたが、決まって反則をする悪役の大柄な選手が登場していた。肘打ちや相手を押え込むようなことは認められていたが、あまりにもひどい反則にはトラックコースの内側に設けられたペナルティボックスに待機し、しばらくの時間、試合には出られなくなる。勧善懲悪型のまるで昔のプロレスそのまんまの雰囲気を持ったスポーツであった。子どもながらに反則を繰り返す外人プレーヤーに毎回怒りを感じながら、東京ボンバーズを応援したもんだ。

 プロレスがゴールデンタイムに週に2日、キックボクシングも毎週テレビで放送されるような血気盛んな時代の話である。けど、周りでローラースケート遊びは流行らなかった。

(秀)