第1633話 ■バレンタインが休日だったから

 今年はバレンタインデーが土曜日とあって、一般企業や学校は休みだったわけだから、これにより世の多くの義理チョコはその出番を奪われたことだろう。1日早く、「義理チョコです」なんて奇特な人は私の周りには現れずに、しんみり、家族からのチョコだけといった静かなバレンタインデーだった。義理チョコ反対派の私にはこんな感じが丁度良い。

 今年は義理チョコの多くが見送られたことで、デパートやスーパー、はたまた菓子メーカーなんぞは相当の書入れを逃したことになる。別にこれは急に世の中が不景気になったからではなく、カレンダーでこの日が土曜日だと分かった時点である程度は予測できたであろう。だから、予想外の売れ残りによる在庫を抱えるまでは至らなかったのでは。

 かと言って、このバレンタインデーを祝日のごとく、「2月の第2○曜日」のようにしてはならない。そこまでになると、義理チョコ商魂丸見えだ。2月14日が土曜日や日曜日だった年は、業界関係者は諦めるしかない。その一方で、義理チョコに余計な神経や出費を使わずに済んだことを喜んでいる女性がたくさんいることだろう。本当は義理チョコなんてなくなってしまえ!、と思っている女性も相当いることだろう。

 来年もバレンタインデーは日曜日とあって、休日だ。今だからこんな感じで余裕めいた話ができるのだが、これが中高生だったら、結構深刻な話なのかもしれない。

(秀)